テーマ 131 部下の仕事をつくる、部下のモチベーションをつくる
■部下の仕事をつくる
ロシアの文豪、ドストエフスキーの作品に
自身の収監体験をもとにして書いた
『死の家の記憶』というものがあります。
その中に、下記のような記載があります。
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監獄では、受刑者にレンガを焼かせたり、
壁を塗らせたり、畑を耕させたりした。
強制された苦役であっても、その仕事には目的があった。
働けば食料が生産され、家が建ってゆく。
自分の働く意味を見出せるから、苦しくとも耐えてゆける。
立派に仕上げようという気さえ起こす。
ところが、たとえば、水をひとつの桶から他の桶に移し、
またそれをもとの桶にもどすとか、
砂を搗く(つく)とか、
土の山を1つの場所からほかの場所へ移し、
またそれをもとにもどすとかいう作業をさせたら、
囚人はおそらく、4、5日もしたら首をくくってしまうだろう
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部下の方は、会社から給料をもらい
生計をたてるために働きますが、
仕事を通しての成長や生きがい、
やりがいを感じない仕事が続くと
モチベーションを低下させ、
いずれは退職していくことになります。
部下の方を含め、人はだれもが
「成長したい、良い仕事がしたい、会社に貢献したい」
といった願望を持っています。
管理職者にとって「人と仕事のマネジメント」とは、
「部下の意欲を仕事に結びつける仕事」となります。
管理職者は、現状をよく理解し、
考えて、考えて、考え抜いて自ら目標を設定し、
売上高、利益額などの目標を達成すること、
担当部署を発展させていくこと、
その中で、部下に給料を払い、なおかつ、
部下にやりがいのある仕事をさせ、
部下を指導・育成し、成長させていくことが仕事となります。
■部下のモチベーションをつくる管理職者となる
モチベーション「意欲、やる気、熱意」というのは、
「目標へ取り組む実際の行動、努力、アイデア、
ひらめき、将来への展望などにより育てていくもの」です。
管理職者の方は、自ら目標をつくり、
その達成の過程で自らモチベーションを
つくっていかなければなりません。
部下の方に対し、やる気を持ってもらうためには、
上司である管理職者が、
部下のやる気が起きるのを待っているのではなく、
部下の方の将来を考えて、
仕事の目標を与え行わせること、
勉強を行わせることが必要です。
最初は、部下の方は、上司から言われたことなので、
しかたがなく行ったとしても、
実際に行うことによって、こころが変化し、
「意欲」や「やる気」がでてくるはずです。
管理職者は、部下の方の将来を思うなら、
「適切な目標を与え、納得してもらい、行ってもらい、
そして行った結果に対してほめてあげる」
ことが大切なことを認識し、実践することが必要です。
自分や部下にとって魅力のある
挑戦的な目標を掲げ、取り組むことが
部署運営と部署員のモチベーションアップの基本となります。
一度、下記のような視点で、
自分の部署の状況を確認してみて下さい。
チェック項目
・部署として魅力的な目標を掲げているか。
・部下は魅力的な仕事をしているか。
・部下にとって自分は魅力的な上司か。
・部署内のメンバーはお互いに魅力的な仲間と思っているか。
・他部署からみて魅力的な部署となっているか。
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